庶民派弁護士が最高裁判事に就任と話題を呼んだ山浦善樹さん(63期)が7月初めで定年退職とお聞きして急遽計画されました。メールでの短期間での呼びかけにもかかわらず定員の30名を大幅に上回る41名の方が参加されました。
強烈な西日の射す午後4時、三宅坂の正門前に集合し、石造りの荘厳な外観に圧倒されながら玄関ホールへ、正義の女神テミス像とご対面。
映画やドラマに映る米韓の像は目隠しをしているのに、ここの女神は目隠しをしていません。よく事実を見通して公正な判断を下すためだとか。左手の天秤は正義を右手の剣は力を「剣なき秤は無力、秤なき剣は暴力」とか。
ホールの突き当たりへ行くとドアが、入るといきなり大法廷、テレビニュースで正面に判事が15名ずらりと並んでいるあそこです。正面の壁にも後ろの壁にも舞台の緞帳のようなずっしりとしたタペストリーがかけられています。正面は太陽、後ろは月、かなりくたびれた感じでかかってました。
山浦さんにはご担当の第一小法廷で傍聴席に座ってお話を伺いました。
少年時代から高校、大学まで生い立ち、気持ちの有り様を、そして最高裁で判決を出すまでの微細についても楽しくわかりやすいお話をしていただきました。
大法廷は15名の判事全員、小法廷は3つありそれぞれに専任の5人の判事がいて、裁判長は順番に務めます。判事は調査官が揃えた書類を読み込み、5人の合議によって結論に至る、そこに至るまでの判事間でのやりとりのお話を聞いて、判事といえどもとても人間臭い人たちなんだと安心しました。5人の判事の出身は裁判官、検察官、弁護士、官僚、学識経験者と多彩であり、調査官はその道一筋のベテラン裁判官出身者が務めているということで信頼できる制度が担保されています。
最高裁に持ち込まれる事案は憲法問題のような堅苦しいものばかりだと思っていたのですが、離婚や相続など身近?なものもあり、期待した判決が得られなくても最高裁まで上げた結果ということで満足するという心理もあるようです。
この辺のお話はとても面白かったのですが文章にする力がありません。参加した方を飲ませて聞き出してください。山浦さんも退官後に話をするなら飲みながらがいいなとおっしゃていました。
(幹事・62期柳澤敏雄記)